この事例の流れとポイント

商品パッケージについてはお客様がしっかりとイメージを持っておられたため、ボトルのラベルデザインやキャップの色については比較的スムーズに進みました。

しかし、お客様（商社）は、これまで除草剤を扱ったことが無く、販売先となるお得意先（お店）も全くありませんでした。

商品の見た目は当然重要ですが、競合他社から乗り換えるお店様側からすると（しかもその会社は該当商品を扱った事が無い！）、競合他社と比べて『魅力的な価格』が最低の必須条件となります。

リーズナブルな価格にすることは、品質や製造コストの安い部材を使うことによりある程度は賄えるのですが、一番問題になるのはお客様の看板に傷を付けない品質を維持するということでした。
初めて扱う商品ということもあり、品質的なトラブルは、今後の展開にも影響します。

つまり『価格は最低ライン』で『品質は一定以上』が求められました。

工場については、数箇所の候補がありました。
似たような物を作っているように見えるそれぞれの工場も、細かく話を進めていくと、長所や短所、得手・不得手が見えてきます。

当初は、弊社が絶対的な信頼を置いているA工場を考えていましたが、何度かお客様や各工場とやり取りを行う中で「B工場を使った方が、お客様の希望にそえるのでは？」と、考えが全く違う方へと進み始めました。

その過程で時間も費やし、これまであまり問題になっていなかった納期問題も浮上してきました。

B工場は、今回のお客様が初めて除草剤を扱うという点を好機と捉え、非常に協力的な対応をしてくれました。その点も踏まえ、製造期間や価格・品質・納品先の地域性等を考えた結果、B工場を採用することになりました。

品質と価格・納期の総合比較と言うのは、どの商品にも当てはまる課題です。
しかし、製造を委託するにあたり、委託元が特に注意して管理するべきポイントは、各工場によって若干違いがあります。

工場を変えることによって、そのあたりの心構えも違ってくるため心配事は尽きず、一時は納品まで3か月程度かかることも覚悟しましたが、B工場の協力の元、2か月程度で無事に納品することができました。